アーティスト

「Hongti Art Center」レジデンス報告
古賀義浩(美術家)

Gate 05 Busan

2017.01.28 @OTIANO

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今ご紹介していただいたように、2016年の8月頭から9月末の2ヶ月間、釜山にあるホンティ・アートセンターというレジデンス施設で滞在制作をさせていただきました。釜山の町がこの辺にあって、ホンティ・アートセンターというのはこの辺、すごく端っこの方の工業地帯の中にあるアートセンターになります。ここ奥が 釜山の市街ですね。外観はこんな感じになります。周りは本当に全部工業地帯で、この建物もその区画に合うような感じで、インスタレーションをやっている作家を主に招聘しているような施設になっています。それに対応するように展示空間もすごく大きな空間で、天井も7-8メートルぐらいある2フロアぶち抜きの天井になっていて、こんな感じでブリッジが通っていて、上からも作品を見れるようなすごく面白い空間ですね。こっちがメインの展示会場で、これはサブの展示会場みたいな感じで、ここで制作をすることもできるし、展示をすることもできるというような機能を持った場所になります。ここも上から作品を見ることができます。

ホンティ外観①
ホンティ外観②
ホンティ内部①
ホンティ内部②

ホンティ・アートセンター

これは周りなんですけど、本当に工場ばかりで人が住むようなところではないんですね。ホンティ・アートセンターという施設も、元々は工場があって、ホンティ・アートセンターが2013年にできたんですけれども、その前身でアートファクトリー・イン・ダデポというグループ活動をされているところがあって、そこは元々工場だった建物の使わなくなって空いているスペースを工場のオーナーがアーティストたちに貸し出して、そこでアーティストがアトリエに使ったり、展示場所に使ったり、色々な活動に使ったりしていて。アートファクトリー・イン・ダデポというのがまずあって、そのグループは周りの人たち、美術にあまり関わりのない人たちとも一緒に活動をしたりしていて、釜山市が注目してその人たちに予算を充てようということになって。それで何かやってもらおうということで、釜山市と組んだんですけれども、その翌年ぐらいに工場をまた使うということになって、その人たちは出ていかなければならなくなりました。その浮いた予算で建てられたのがホンティ・アートセンターというふうに聞きました。だからすごく立派な建物を新しく建てて、レジデンススペースとして機能させています。

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ホンティ・アートセンター周辺

ここは滞在する部屋ですね。こういう部屋が7部屋あって、常時6人のアーティストが滞在している状態です。空き部屋1つはゲストルームというか、誰が泊まってもいいような場所です。ここが制作スタジオなのですが、大体この部屋ぐらいの大きさを1人で使わせてもらって、すごく広々とした贅沢な場所ですね。これは共同キッチンで、滞在しているアーティストと職員の方とかも一緒になってご飯を作って、みんなでご飯を食べてという感じの生活です。みんなで場所が空いていたらバトミントンをやったりして、本当に周りに何もないのでこうやって遊んだりして。

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滞在スペース

制作スタジオ


共同キッチン

これは昨年2月まで九州芸文館でレジデンスをしていた韓国人のカム・ミンキョンさんという方の作品。

これはまたパク・サンドックという韓国人の男の子の作品です。彼は色々テクニックを持っていたので、一緒に作品を手伝ってもらったりしました。これは僕も手伝った作品です。

これはさっき言ったフランス人の男の子の方ユイグ・ルワナハというアーティストの作品ですね。

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これは自分の作品になるのですが、作品としてはちょうど地図にあったように、ここにホンティ・アートセンターがあるんですけれども、この川がナクトンガンという韓国でも最大規模の川です。この川と海がちょうどぶつかる場所、この辺が河口になっていて、川の水と海の水がぶつかる風景を見られるような場所になっています。
その地理的な関係性が面白くて、海や水に関する作品を作ろうと思って、こういう感じの作品になりました。素材は重曹、掃除のときとかに使う重曹の粉を使った作品を作りました。

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洛東江(ナクトンガン)

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これはまたイグ・ルワナハの作品になります。翻訳みたいなことをテーマにして作っていました。警備員の人が使う警棒というか、光る棒を高いところ展示して、会期中はピカピカ光ってました。

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これはフランス人の女の子、エヴァ・ギャルソンという作家の作品なんですけれども、フランス語を韓国語の字に書き直して、それを看板のようにして展示してます。

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これはソウルで韓国にレジデンスに来ている作家を集めたグループ展があって、そこにホンティ・アートセンターからも我々が参加させてもらってソウルに行ったんですけど、その時の様子ですね。その時にソウルビエンナーレも見てきて、これはソウルの美術館です。

これは髪を切っています。髪を切ってもらいました。剃刀仕事で。

これは韓国に滞在していた友達の実家にも遊びに行かせてもらって、さっき花田さんがお茶の話をされていたんですけど、この方も日本のお茶を多分習っているおばさんで、面白いので遊びに行かせてもらいました。

さっきも話したんですけど、会場がすごく特殊で、空間に合うような作品を作りたいなと思って。自分のこれまでの作品の中で、大きいスケールで作ったことがあまりなかったので、せっかく2ヶ月一つの場所で集中して作品を作れるので、そういうところに挑戦してみようというか、やってみたいなということがあったので、こういう作品を作りました。平場でも見れて上からも見れて、中に入って体感できるようにしようと思ったんですけれども、何ていうか、あまりそういうことは思わなかったんですけど、もう少しやれたなというか、今見てみると。2個か3個ぐらい要素が足りないなというふうに僕は思っていて、すごく全力でやらせてもらったんですけど、ちょっとそういう消化不良なところが残ってしまったなという感じがしています。そういうこと本当にあまり思わないんですけど、そういう思い出があります。

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テープ起こし 宮崎由子

スピーカープロフィール

古賀義浩(美術家)
1986年福岡県生まれ。2009年多摩美術大学美術学科彫刻学部卒業。近年の主な活動歴に、個展2016年「water and where there is water 」(Hongti Art Center/釜山)など。また、2014年「ネガティヴ・アフター・イメージ」(アキバタマビ21、アーツ千代田3331/東京)、2016年「行雲流水 青木野枝+古賀義浩」(Operation Table/福岡)などのグループ展あり。
http://www.yoshihiro-koga.com/

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