台湾

台湾での活動・レジデンス、アートスペース情報
ロー・イーチュン/Lo Yi Chun(アーティスト)

Gate 04 Taipei

2016.11.12 @art space tetra

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はじめに

三輪:私は福岡を拠点に作家活動をしている三輪恭子と申します。今日はロー・イーチュンさんの聞き手として、色々と質問をしていきたいと思っています。この会の主催の1人である牧園くんから聞き手として質問してくださいと言われたのですが、イーチュンと私は年もすごく近くて同じ作家同士です。最近私自身は外に出てリサーチをしながら作品を作る傾向があります。イーチュンは日本でも青森、横浜と、色々な場所に行ってその場所をリサーチしながら色々な作品を作っているので、興味もありますし共通部分もあります。

イーチュン:ちょっと緊張していますが、今日はこんなにたくさんお越しいただいてありがとうございます。私は台北から来ましたイーチュン・ローと言います。今回日本では3回目のレジデンスになるのですが、今回が一番快適に過ごしています。理由は自分でもはっきりとは分からないのですが、アジア美術館自体がすごく便利な場所にあるということもありますし、食べ物が美味しいことや、これまで福岡で出会った方々が皆さんとても良くしてくださるという意味でも快適なレジデンスを過ごしています。今日は台湾のアートスペースについてお話をということなのですが、台湾のアートスペースというのは大きく3つに分けられると思います。一つが滞在型の制作を支援しているようなアーティスト・レジデンス型の場所、もう一つがギャラリースペース、これは商業的なところとアーティストが自分で運営しているようなところに分かれます。もう一つがアーティスト・ビレッジというような、アーティストが集団でコミュニティとして行っているような場所やプロジェクトになります。

これまでの活動

最初に私のこれまでの作品を少しご紹介したいのですが、私の作品の多くは今お伝えした3つのタイプの3番目、色々なコミュニティと一緒に作品を作るという形で制作をしてきました。私は色々な地域での滞在型の制作というのを非常に重視していまして、それはなぜかと言えば、そのことによってその場所の環境を知ったり、人々を知ったり、過去に起こった出来事や歴史を学ぶということを作品作りの中で大切にしているからです。私の作品の中に特に環境との関わり、自然の素材を使ったものがあります。これは特定の地域で自然の素材を使って作品制作を行った時の例です。ここではどのようにその地域の環境が変わってきたか、どのように人々の生活がその変化を引き起こしてきたか、そして人々が地域の環境を作っていくことにどのように再び関わっていけるかというようなことをテーマにしています。

A Proposal for The New Land (2013)
© Yi Chun Lo

最初にお見せしたのは台湾でのプロジェクトで、今お見せしているのはオランダでのものです。最初台湾で色々な地域で制作をするようになって、そこから様々な環境に関する問題に関心を強めていきました。でもこの環境に関する問題というのは、台湾だけではなく世界中にあるものなので、他の国にも行ってみたいと思いオランダのレジデンスに参加しました。オランダも様々な環境の変化に伴う問題に直面しているのですが、そのいくつかの問題というのは非常に台湾と状況が似かよっています。オランダでは一番大きい問題は、気温の上昇が引き起こす海面上昇と土地の浸水です。

Banana Justice – the Drama of Global Trades and Riots (2014)
© Yi Chun Lo

近年ではコミュニティでの制作ということと、自然の素材への関心がつながった形として、バナナの皮を使った一連の作品を作っています。バナナの皮を使った作品を作っていく中で、より調査に基づいた様々な歴史的な事柄を含んだような作品作りに少しずつ向かってきています。その中でも特に果物に関心を持っていて、というのも台湾はもともと果物が重要な輸出作物だったのですが、その歴史を見ていくと果物を海外の様々な国へ輸出していくという歴史の中にいくつもの興味深い事柄が見て取れることがわかってきました。バナナは台湾にとって非常に重要な輸出作物なのですが、これはよその国に視点を向けると、例えばアメリカなどでは果物の輸出入に関して非常に多くの政治的な問題、社会的な問題があり、果物の輸出入というのは植民地主義の歴史とも密接に関係していますし、労働者の搾取や問題とも切り離すことができないという側面があります。そこでこのバナナの皮というありふれた素材を使いながら、世界的な課題や歴史的な問題を表現できないかと思って続けています。こういった形の作品を、私は「同時的な作品」と呼んでいます。

One Night in the Typhoon (2015)
© Yi Chun Lo

福岡での活動について

三輪:毎回場所によってスタイルを変えながら、かなりダイナミックな活動をしていっているのですごいなと思いました。昨日彼女のアトリエにお邪魔したのですが、バナナの皮の作品はすごく生々しくて、素材としても強く、2週間後にそれも展示される予定なのでぜひ皆さん見に行ってください。ではこの流れで、今福岡で作っている作品について聞いてみたいと思います。

イーチュン:福岡に来る前にもなんとなくのプランはあったのですが、それは博多についてのぼんやりとしたイメージや情報に基づいて考えていたことです。博多は非常に古い港町ですので、昔からこの博多の町から海外に向かって多くの人が出て行ったに違いないというところからコンセプトを作り始めました。人々が移動して交易を行っていく中では、きっと商品の交換というだけではなくて、その訪れた場所で新しい風景に出会うとか、様々な情報の交換というのも行われたに違いないと考えました。それで、これまで主にバナナを軸に台湾と海外との関係性を考察してきたのですが、今回バナナだけではなく他の台湾から海外に輸出されている果物や、台湾らしい風景にまで広げて調査を行いました。

Tropical Collection (2016)
© Yi Chun Lo

あと、今回家具を作りたいという漠然とした思いもありました。その背景には彫刻と家具、インスタレーションという展示の形式を自分の中で少し発展させられないかと思ったからです。そういうこともあり、博多に来てから様々な日本家屋を見に行ったりして、日本的な家の家具や調度品、障子や屏風、家屋自体の典型的な構成などについて調査をしました。色々見た中でも屏風がすごく面白いと思いまして、屏風は台湾にもありますし、中国にもあると思うのですが、日本の屏風は非常に種類が多様で、高さも様々だったり、一組の屏風につながっている枚数も様々だったり、形も変わったものがあったり、装飾も様々な種類があったりというところが非常に特徴的だなと思いました。あと、そこに描かれているものが大体風景というところにも興味を持ちました。

古いお家を見せていただいたり、博物館に行ったりして、その中で古い家のご家族の歴史を伺ったりもしたのですが、先祖が博多商人だったというお宅がありまして、そこで伺った話を元に今回、博多商人が台湾に出かけていって集めてきた色々な商品や心に残った風景などをもとに、その人が自分の家を飾ろうとしたという物語を考えました。この博多商人は私と同じように屏風が非常に好きで、その屏風に台湾で自分が見た風景や台湾らしいものをとり入れようとしたという物語をもとに作品を作っています。

こちらでお見せしている作品は、昔の台湾の写真が掲載された本や日本で出版された台湾の風景を伝える地理の本などをもとに作っているのですが、色々な台湾らしい風景が描かれています。最初にお見せした写真の湖の近くでは、ヒノキからオイルを取って虫除けや樟脳などに使っていて、次にお見せしたのが大理石が取れる場所です。樟脳は台湾で一時期重要な輸出品だったもので、台湾ヒノキも非常に重要な輸出作物でした。こちらはヒノキの森の風景や台湾の鹿ですね。歴史というのはどういう視点で見るかによって色々な解釈ができるものですし、今回は様々な歴史的な写真や情報を使いながら、新しいランドスケープ、新しい風景を作れないかと思っています。そこにはもしかしたら人々がかつて環境を変えていった流れを示すことになるかもしれませんし、また別の見方を提供することになるのではと思っています。

三輪:写真は昔の、今はない風景だと思うのですが、色々な人の視点をかき集めて新しい風景を作るというのがすごく彼女のユニークな点だなと思っていて、こうやって集められたものを見ていると写真の向こうに別の視点が見えるなと思いました。

イーチュン:それが今回のプロジェクトで私が大事にしていることでもあります。

台湾のアーティスト・ビレッジ

イーチュン:最初にお伝えしたように、今回台湾のアートスペースをご紹介するのに3つのカテゴリーに分けてみました。最初がレジデンスができる場所なのですが、レジデンスができる場所としては、アーティスト・ビレッジというアーティストが集団で運営するコミュニティベースの場所、美術館、特定の地域のコミュニティで滞在するという3つぐらいのオプションがあります。その中でも特に台湾の地方で、いわゆる美術館のような場所ではないところで滞在するというのは、色々と大変な面もあるとは思うのですが、皆がよく知っているような台湾とは異なる側面を見ることができますし、そこに住む人たちの実際の生活に触れることができるという意味で非常に面白い経験にはなると思います。

今回の会の主旨に沿うならばアーティスト・ビレッジやいくつかの面白いギャラリーをご紹介するのが一番皆さんの興味に合っているかなと思うのですが、アーティスト・ビレッジの中でも一番個人的なおすすめとしては、台北アーティスト・ビレッジというところがあります。

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Taipei Artist Village

ここは2ヶ所レジデンスができる場所を持っているのですが、一つは台北の中心部に位置しています。こちらが大変おすすめです。もう一つがトレジャーヒルといって少し台北の郊外になるのですが、こちらにはたくさんのアーティストがスタジオを持っていたりして、非常にアーティストが多いエリアです。ウェブサイトを見ていただくと、もっと詳しい情報がわかると思います。今回ご紹介する情報は全部まとめて牧園くんにお渡ししますので、興味がある方は彼に連絡をしていただければリンクを送ってもらえるようにしたいと思います。

2つ目は台南にあるアーティスト・ビレッジです。台南は台湾のだいたい真ん中よりちょっと南ぐらいにあるのですが、ここにも2つのアーティスト・ビレッジがあります。

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Soulangh Artist Village

一つはシャオロン・アーティスト・ビレッジというところで、ここが私が台風の時の展示をしたところです。

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Tsung-Yeh Artist Village

もう一つはツォンエ・アートセンターというところで、ここは日本家屋を使った展示会場がすごく面白いのですが、最初のシャオロンの方が方針としては少し実験的で、より実験的なことをやってみたいという方はシャオロンの方が合うと思います。シャオロンはもともと製糖工場だった場所を使っています。このように台湾のアーティストビレッジは歴史的な建造物や、それまで放置されていたような場所を改装して作られているところが非常に多いです。

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Pier-2 Art Center

次は高雄にあるところですが、ここはピア2アートセンターという場所で、港の第二波止場のような意味なのですが、港に位置しているのでこのような名前になっています。このウェブサイトに写っているのはシャオロンで一緒だった作家で、シャオロンでの展示を高尾のピア2のディレクターが見て、こちらのレジデンスにも招待されたという友人です。ピア2は商業的施設と文化施設が一緒になったような場所です。

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The Bamboo Curtain Studio

それとバンブー・カーテン・スタジオという台北にあるところです。台湾では一番長くレジデンスを運営しているところです。このバンブー・カーテン・スタジオでは様々なコミュニティベースのプロジェクト型の作品をサポートしています。

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Gold Museum

台湾の北部の町にあるゴールドミュージアムというところでもレジデンスをやっています。もともと金鉱があった町なのですが、私はこの町が台湾で一番美しい町だと思っています。

あと、陶芸をされる方はTaiwan Ceramics Museumのレジデンスの機会がありますし、海洋博物館が行っているフェスティバル形式のイベントがあって、そこで自然素材を使った、いわゆる環境に関するような作品を作っている作家の発表の機会もあります。

Happy Farms (2010)
© Yi Chun Lo

美術館やアーティストが運営しているのではなく、本当に地域が行っている、町や市が主体となって行っているレジデンスの例としてはこちらが一番面白いと思うのですが、これは2010年から始まったレジデンス型のプロジェクトで、私が大学を卒業して初めて参加したのもこのプロジェクトでした。

非常に僻地のようなところにありまして、漁業が主体の村で、台湾に住んでいる人でもほとんど訪れたことがないようなアクセスのしにくい場所です。もともと農業が主体の場所だったのですが、段々海面が上昇してきて農地だった場所が水に沈んでしまったため、村に住んでいる人たちも生活スタイルを変えなければいけなくなった結果、今は漁業が中心になっているというような場所です。また海面の上昇によって多くの面積が湿地帯、干潟になっていて、干潟に特有の様々な固有の生態系が生まれ、それがまたこの地域の人々の生活を変えていっているという側面があります。

このプロジェクトは非常に国際的で、もともとキュレーターの1人がアメリカ人でフルブライトの研究者として台湾に滞在していた時に立ち上げたプロジェクトです。その人は今はアメリカに帰国しているのですが、このプロジェクトのためにしばしば戻ってきています。確か去年は日本人の方もこのプロジェクトに参加していたはずです。レインボーカラーに染まる家のような構造物を作っている方です。

その他おすすめの地域プロジェクト
– Chenglong Wetlands Invironmental Art Project https://artproject4wetland.wordpress.com/
– Guandu International Natrual Festival http://www.guandu-natureart.tw/

台湾のコマーシャルギャラリー

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Michael Ku Gallery

次にギャラリーなのですが、いくつかの商業的なギャラリーは面白い活動をしています、最初はマイケル・クーさんという美術史のバックグラウンドを持った方がやっているギャラリーで、ここで紹介されるものは他の商業的なところで紹介されるものよりもいつも面白いという傾向があります。

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Project Fulfill Gallery

2番目がProject Fulfill Galleryというところで、ここも色々な台湾の作家を紹介しています。

その他オススメのコマーシャルギャラリー
– 也趣藝廊 AKI Gallery https://www.facebook.com/galleryaki/
– TKG https://www.facebook.com/tkgplusandprojects

台湾のオルタナティヴ・スペース

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VT ARTSALON

アーティストが主導的に行っているギャラリーとしては、このVTサロンというところがありまして、ここはいつも非常に良い展示をしています。確か今の台湾アーティスト・ビレッジの中心的な作家はここの出身だったと思います。

あと台南のスペースもいくつかご紹介しようと思うのですが、台北とそれ以外の場所というのはやはり非常に異なった状況にあります。作家にとって台北で活動していることが一番可視化されやすい、目に見えやすいので、台北のアートスペースや作家はよりインディペンデントな、美術館や政府と関係がない独自の活動をしていることが多いですし、国際的なネットワークにつながっているところも非常に多いです。台北以外はというと、ある意味台湾のアートシーンの中では外部のような感じになってしまいます。台北の外のスペース同士、アーティスト同士で色々な情報を共有しながら、どこか一つの場所でやったアーティストが別の地域のレジデンスや展覧会に呼ばれるというような、独自のネットワークがあります。この4つが台南での興味深い活動をしているアートスペースです。この2番目のところはレジデンスの施設も持っています。

台南のオルタナティヴ・スペース
– 絕對藝術空間 Absolute Art Space http://absoluteart.space/8338679
– 草程藝術文化工作室 Art Aquare https://www.facebook.com/artsquaretaiwan/
– 齁空間 howl space http://howlartspace.blogspot.jp/
– 182 Art Space https://www.facebook.com/182artspace/

三輪:今結構アジアは簡単に行けると思うので、もし行く機会があったらどんどん行ってほしいなと思います。

質疑応答

Q:お話の中で、台北で作家活動をしていることが一番ネットワーク的にも、展示の機会的にもいいということでした。日本でもそうなのですが、都市で生活するほうがお金がかかると思います。最初若い作家さんたちなどは生活面でのお金も捻出しないといけないと思うので、都市で作家活動をするのにあまり支障はないのでしょうか?

イーチュン:やはり台北で若い作家がアートだけで生きていくことは簡単ではないので、多くの作家が教師として仕事をしたり、レストランでバイトをしたりしながら創作活動を続けています。ただ台湾は非常に小さな国なので、必ずしも作家活動をするのに台北に住んでいないと台北のアートシーンに加われないというわけでもありません。ですので、もともと台北出身ではない作家は地元で制作をしながら、台北で大きな展覧会や活動の機会がある時には台北に行くというような形で活動する人も多いです。あと、最近の若い作家は必ずしも台湾で活動するのではなく、大学やギャラリーでつながって、海外のアートに関係する場所で制作を続けていく道を選んでいる人も多いです。近年の傾向としては、若いうちから外に出て作家として制作をしていくという傾向が強くなっているように思います。

Q:さっき見たインスタレーションの中で、バナナの皮のインスタレーションがありました。素材として強いと三輪さんがおっしゃってたのですが、そういうイメージはバナナの皮に一切なかったので、インスタレーションの作り方、バナナの皮の乾かし方など、何か特別な方法があれば教えてほしいのですが。

イーチュン:基本的には速乾性の強い糊で皮をつないでいくのですが、最初の乾かす段階は小学生が押し花をするのと全く同じ原理でやっています。最初の写真がバナナの皮を最初もらってきている写真だったのですが、最初はバナナの皮をレストランなどでもらってきて、こんな感じで床に並べて、この時は一番最初にこの手法を試した時だったので、本当にシンプルに新聞紙を敷いてその上にバナナの皮を並べて乾かすということをやっていました。見てもらったら分かるようにあまり乾いていないところはまだ皆さんが知っているバナナの皮というような黄色い色のところもあります。これをやっているうちにバナナの皮がどういう変化をするのかというのを少しずつ学んでいったのですが、バナナの皮は完全に乾くと真っ黒になって、すごく軽くなるんですね。そしてこのように上から吊ったりもできるようになります。

岩本(通訳)補足:ちなみに今のアジ美ではバナナの皮は全部天日干しをしています。まだ天日で干した段階だと、バナナがもともと丸いラウンドシェイプなのでまっすぐにならないのですが、それをアイロンがけしてまっすぐにしています。その段階で色が想像以上に変わります。あと、日に干しているせいかアイロンでまっすぐしているせいか分からないのですが、独特のベイクドバナナのような匂いが生じます。そんなに強くはないのですが、寄るとなんともいえないいい匂いです。今回彼女は最後に今までやったことのない形で表面加工をしようかなと言っているので、それでもまた変わってくると思います。

イーチュン:まだ私自身もバナナの皮の使い方を色々と試しているところなのですが、アイロンでまっすぐにするというのは今回初めてやってみたことで、それをやることでバナナの皮がどのように変化するかというのも分かりました。特にアイロンをかけることでまっすぐな状態に持っていけるというのと、余分な水分がそこでさらに飛ぶことで皮が変化するというような、色々なことを学びました。

通訳 岩本史緒

テープ起こし 宮崎由子

スピーカープロフィール

ロー・イーチュン/Lo Yi Chun(アーティスト)
1985年生まれ、台北(台湾)在住
人と自然の関係をテーマに、近年は特にバナナの皮をつかって制作しているアーティスト。福岡では、バナナの皮と福岡ならではの植物などと組み合わせて、インスタレーションを制作する予定。バナナの皮を使ったワークショップもおこなう。
http://yichunlo.wixsite.com/artist